最近全く勝てていない名古屋グランパスですが、試合を見てて疑問に思うのが
開幕よりも攻撃陣が機能していないということです。
神戸戦では5失点を喫した守備面でも問題は多く抱えているとは思いますが、twitterでもかなり言っているようにそろそろアーリアをFW起用することは限界が来ているのではないかと思っています。
トラッキングデータを見て導き出したものでもありますが、少し細かいところまで追求していきたいと思います。
現在FW起用されている選手評
ジョーを除き、現在3人の選手がFWとして起用されています。
とりあえずそれぞれの強み弱みを上げていきたいと思います。
長谷川アーリアジャスール
現在はスターターとして起用されている選手。元々中盤の底でプレーする選手であったが、今シーズンはFWにコンバート。
強みとしては、中盤の選手だけあって相手に背を預けたままのボールキープがとても上手い。彼からチャンスが生まれる多くは相手DFの中心で背を向けたままボールを受け、2列目の選手が追い越す動きに合わせてボールを配給。起用されてから試合の中でこの場面を作る機会は多く、やはり足元やパスの技術も中盤の選手と同様質の高いパスを出せる。また、とてもクレバーな選手で動きや次につながるプレー選択も高い精度である。
弱点としては、やはりFWとしてのシュート意識の高さ、シュート精度そして裏に抜ける動きを効果的にできていないという点。相手の守備陣としてはアーリアにボールを持たれた際に、ファーストチョイスがパスというのはすでに分析されているだろう。実際にシュートをうつシーンでは本職のFWよりも一拍や二拍遅いため効果的なシュートをうてていないように感じる。最終的にジョーを守れば良いという結論になってしまう。
神戸戦でも見られたが、ジョーが下りてボールを動きをしたときに同じタイミングで逆サイドからおりてきているシーンがあった。2トップでSTとしての動きが期待されているが、ジョーがおりてきたときには裏への動きを見せないと、相手としては守備ラインを簡単に高い位置に設定できてしまう。ただ、裏に抜けだしたとしても残念ながら1人で仕掛けられるタイプではないのであまり効果的ではないようにも思えてしまう。結局のところジョーが1トップ気味でないと全く機能してないのである。
またここからはトラッキングデータを見て気づいた事だが、手を0封して内容でも圧勝した試合でのスプリント回数が
5節 vsコンサドーレ札幌 90分で 18 回
9節 vsサンフレッチェ広島 89分で 29 回
12節 vs川崎フロンターレ 84分で 17 回 (勝っていないが好ゲーム)
に対し、
13節 vs松本山雅 83分で 8 回
14節 vsベガルタ仙台 90分で 11 回
と負け試合でのスプリント回数は仮に90分間に換算しても15回いく試合は1つもありません。
攻撃でのスプリント回数が少ないスタイルのアーリアがここまで差がつく要因としては守備でのスプリントが挙げられます。
名古屋のスタイルとしてはジョーが最初のプレスをかけ、基本的にその後をチェックしていく形になりますが、これが負けている試合では非常に遅いです。
名古屋はDFラインがかなり高い位置を取りボランチの2枚も高い位置を取ります。そのCBとボランチに人を配置されて通されるとカウンターを食らいやすくなります。ここに通されるか通されないかはCBのパスによりますが、ここにプレスがいかないと相手としては簡単にボールを通しやすい環境にあるということです。つまり、良い時のアーリアは守備での寄せもかなり早くその結果雑なクリア気味のパスを後ろで回収できていた。しかし最近は寄せが甘くパスを通しやすい環境にあるということになります。
ここは実際に試合を見ていてもかなり気になるポイントです。
疲労が蓄積しているのか単純に慣れてしまったがためなのか?
原因は見えてきませんがここを改善しない限り機能しているとは言えません。
ガブリエルシャビエル
とにかくすべての能力が高いアタッカー。スタートでは右サイドが多いが、直近の神戸戦では途中で前田とポジションチェンジをした結果、左サイドでもプレーした。
長所は卓越した左足の精度。FKでシミッチに頭で合わせた場面では、まだまだ左足は錆びついていないと証明している。
短所を挙げるとすればサイズがなく、足の速さは平均的程度、最近では中々決定的な仕事が出来ていないという印象があるということがある。
J2時代、途中加入から16試合7ゴール15アシストをしたときの印象が強すぎるためか、決定的な仕事をしなければならないというイメージが強すぎている感が存在している。が、その時とは求められている役割も異なっているため、彼が仕事をしていないとは全く思えない。
だが、現在の右サイドバック宮原との関係性はあまり良くないように思える。
左利きのシャビエルは基本的にサイドで受けた際にファーストチョイスの進行方向は内側であるが、宮原はウイングを大外から追い越す動きはほとんどしない。むしろ内側から追い越す動きが最近特に多くみられる。そのため宮原とシャビエルが連携でサイドを崩したシーンはほぼ皆無。シャビエル自身も中でポジショニングをとることも多く、右サイドが機能しているかと言われれば、甚だ疑問である。
シャビエルを右サイドで使い続けたいなら彼を外から追い越せるSBのほうが合っている。反対に宮原を使い続けたいならば、右サイドは縦に仕掛けられる選手のほうが機能する。その場合はシャビエルはFWとして最初から中で勝負させてあげたほうがチームとしては良い連携を生み出せると思う。
トラッキングデータで見れば、シャビエルは走行距離は毎試合10km前後、スプリント回数も15回前後と、どの試合も似通ったスタッツを計測されている。したがってシャビエル自身は常に安定したパフォーマンスであると言える。
前田直樹
去年の中断明けの連勝の時や最近もまたFWのポジションを途中からやることが多い左利きのドリブラー。個人的にめちゃくちゃファンで常々使ってほしいと言ってきました(笑) 最近では調子を取り戻してきたためか、また起用が増えてきている。
強みは圧倒的なドリブルスキルと、中へのカットインからの左足。
試合を見ていると彼が試合に入ってから試合のペースが右起点になり、名古屋ペースに持ち込まれることが多い。
短所として挙げるならば、スタートからフルを見ることが少ないからかもしれないが、フルで出場しようとするとスタミナがもっていないということです。かなり全力でプレーしていくため、前半から飛ばしていくと後半消えている時間が多いなという印象は持ちます。なら交代すれば良いとも思いますが、最初から90分持たない選手をスターター起用するのはかなり不安定さがあります。
トラッキングではとても面白い試合があります。
先ほども挙げた15節大分戦ですが、
アーリア 52分で10回のスプリントでしたが、交代した前田は 38分で17回を記録しています。
14節 vsベガルタ仙台 75分で23回
13節 vs松本山雅 45分で15回
10節 vs湘南ベルマーレ 70分で20回
8節 vsジュビロ磐田 25分で12回
と先発起用された試合では20回、半分もプレイ時間をもらえていない時でも10回以上のスプリントを平気で行います。
また神戸戦では(謎の)オフサイド判定だったシーンでも見られたように、縦へ裏抜けする動きもできます。なんせ副審が誤ってオフサイドを上げてしまう程のタイミングでした(笑)
個人的な意見
先ほどシャビエルのところで書きましたが、右SBによって結論が分かれます。
宮原がこのまま継続して使われるのであれば、右は前田でFWの位置にシャビエルがベストかなというところです。
またFC東京から太田が来ましたが、吉田がこれで右サイドに回ることがあれば、シャビエル右でFW前田がハマると思います。
そしてサイドが起点を多く作れるようになれば相手の意識が外に向いていくため、アーリアの中央でのプレーが再び輝く日も来ると思っています。
ただ、現状では中ががっちり固められているためにこのままの継続的起用は攻守どちらの面においても難しいのかなと思います。
最後に
名古屋グランパスが上位に食いついていくためにはここが正念場になると思います。
去年のような連敗が頭をよぎりますが、新加入の選手も含めてチーム一丸になって戦っていければと思っています。
いろいろとグダグダ書いていきましたが、実際はどの選手が出場しても応援します(試合中は熱くなってしまうと思いますが笑)
ここまで見ていただきありがとうございました!!
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